悔しさと歓喜の1年目=山本、プレーオフで殊勲―MLBクローズアップ
【ロサンゼルス時事】プロ野球オリックスから米大リーグのドジャースに昨オフ加入した山本由伸投手。投打二刀流の大谷翔平を除けば大リーグの投手として史上最高額の3億2500万ドル(当時のレートで約460億円)で12年契約を結び、鳴り物入りで迎えた1年目は、悔しさと歓喜の両方を味わった。
デビュー戦となった開幕第2戦のパドレス戦は1回5失点で降板と散々だったが、その後は先発ローテーションの一角として安定。4月6日のカブス戦では5回無失点で初白星を手にした。
暗転したのは6月中旬。ロイヤルズ戦で右上腕の張りを訴えて降板し、右肩腱板(けんばん)の損傷が判明して負傷者リスト入りした。復帰は約3カ月後で、「試合で投げられないのはすごく悔しかった」。今季18試合で7勝2敗、防御率3.00の成績は不本意だったはず。それでもプレーオフに間に合い、パドレスとの地区シリーズ初戦を託された。
意気込んだ一戦は3回5失点の乱調で「簡単に切り替えられなかった」。そんな時に大きかったのが同僚の支え。ベテランでムードメーカーのE・エルナンデスに遠征地でカフェに誘われ、約2時間過ごした。
「技術的なところ、プレーオフに向けての心構えも話してもらった。チームメートが付いているからと、声を掛けてもらった」。2勝2敗で臨んだ地区シリーズ最終第5戦で5回無失点。仲間の励ましを力に変え、大一番を勝利に導いた。
ヤンキースとのワールドシリーズ第2戦でも七回途中1失点で白星を挙げ、チームの4年ぶり世界一に貢献。日本球界で3年連続最優秀選手と沢村賞に輝いた実力の一端を示し、レギュラーシーズンの悔しさを大事な10月に晴らす形となった。
[時事通信社]
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