「世界が燃えている」国連、2025年の支援資金に7兆円要請
【ジュネーブAFP=時事】国連は4日、来年は紛争の激化や気候変動で数億人が困窮すると警告し、重要な支援を行う資金として474億ドル(7兆円)の拠出を要請していると報告した。≪写真は、スイス・ジュネーブで記者会見に臨み、2025年の「人道支援概観」を手にする国連人道問題調整室〈OCHA〉のトム・フレッチャー室長〈事務次長〉≫
国連人道問題調整室(OCHA)のトム・フレッチャー室長(事務次長)はスイス・ジュネーブでの記者会見で、「世界が燃えている」と述べ、2025年を不安とともに見据えていると語った。
パレスチナ自治区ガザ地区やスーダン、ウクライナなどで残忍な紛争が激化し、気候変動や異常気象がかつてない被害をもたらす中、国連の推定によれば、来年世界で何らかの支援を必要とする人々は3億500万人に上る。
フレッチャー氏は「私たちの世界は今、ポリクライシス(複合危機)に取り組んでいるが、その代償を支払わされているのは、世界で最も弱い立場にある人々だ」と指摘。格差の拡大と紛争、気候変動が相まって支援を必要とする人々にとって「最悪の状況」が生じていると述べた。
フレッチャー氏は2025年の「人道支援概観」を公表し、国連とそのパートナーが支援を必要とする人全員に手を差し伸べることはできないと認めた。
国連機関や人道支援団体は2025年分の資金として474億ドルを要請している。今年分よりもわずかに少ないが、国連は、最も弱い立場にある1億8950万人に支援を届けられるとしている。だがこの計画では、「1億1500万人分、足りない」とフレッチャー氏は認めた。【翻訳編集AFPBBNews】
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