「プレステ」、発売から30年=鮮明画像でゲーマーとりこに―ソニー
ソニーグループ傘下のソニー・インタラクティブエンタテインメントの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)」が3日、発売30年を迎える。鮮明な3D画像やスマートなデザインで世界のゲーム愛好家をとりこにし、任天堂1強だった業界の勢力図を塗り替えた。
初代PSの発売は1994年。PSは当初、任天堂の「スーパーファミコン」向けに開発が進んだCD―ROM一体型互換機だった。しかし、破談したことによりソニーは独自のゲーム機として業界への参入を決断した。「PSの父」と呼ばれる久多良木健氏が開発の陣頭指揮を執り、反対する当時の経営陣を説き伏せたという。
迫力あるゲーム映像が特徴で、後継機の「PS2」からはDVDで映画なども楽しめる。初代の世界販売台数は1億台超、PS2は1億6000万台超と、いずれも世界的な大ヒットに。特に2は、いまだに歴史上最も売れたゲーム機とされる。当時、任天堂の「ニンテンドウ64」やセガ・エンタープライゼス(現セガ)の「セガサターン」と競った次世代機争いに圧勝。ソニーにとっても家電に代わる中核事業となった。
3代目「PS3」は開発コストの負担で高価格になり伸び悩んだが、13年発売の「PS4」はプレー動画をネットで公開できる機能などが受け、販売は再び1億台超え。家庭用ゲーム機では、任天堂の「ニンテンドースイッチ」と並ぶ地位を不動のものにした。
近年は、スマートフォンやパソコンでゲームを楽しむ人が増え、かつての勢いはない。「PS5」は20年の発売以来、販売台数は今年9月末時点で6500万台超。ソニーはゲーム機の売り上げより、ネットを通じてゲームをダウンロードする定額制会員サービスの収益を重視する方向にかじを切る。
「ファミ通ゲーム白書2024」によると、23年の世界ゲームコンテンツ市場(ゲーム機除く)は、同一為替レートで前年比3.1%増の29兆5162億円。PSが提供する新しいゲーム体験への注目は依然として高い。
[時事通信社]
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