マイナ保険証へ移行本格化=利用率15%、不安払拭が課題
従来の健康保険証の新規発行が2日で終了し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」へ本格移行した。医療情報のデジタル化を進める狙いだが、メリットが十分に患者へ伝わっておらず、利用率は10月時点で15.67%に低迷。政府は混乱が生じないよう、従来の保険証などとの併用を当面認めるが、マイナ保険証に対する国民の不安を払拭し、利用促進につなげられるかが課題だ。
マイナ保険証は、医療機関や薬局に設置されたカードリーダーで本人であると認証する「オンライン資格確認」を行うのが特徴。医療関係者が薬の処方歴などを共有し、適切な治療につなげることができる。手術をはじめとした高額な医療費の患者負担に限度額を設ける「高額療養費制度」も、マイナ保険証だと手続きが簡単になり、限度額を超えた部分の立て替え払いも不要になる。
マイナカードは国民4人のうち3人が持つ。このうち約8割がマイナ保険証登録も済ませたが、利用は低迷している。顔認証や暗証番号の入力といった利用手続きの煩わしさや、別人データの誤登録問題などが尾を引いているためだ。
今月2日以降も公的医療保険に加入する全ての人がマイナ保険証以外で受診できるよう、政府は従来の保険証や、マイナカードを持っていない人などに発行される「資格確認書」の利用を認める。
従来の保険証は有効期限が切れるまで最長1年間使える。加入する保険の種類によって期限が異なり、サラリーマン向けの健康保険は来年12月1日までのケースが多く、75歳以上の後期高齢者医療制度は来年7月末だ。自営業者ら向けの国民健康保険は自治体ごとに異なる。
従来の保険証の期限切れ後、マイナ保険証を持たない人には、申請なしで自治体や勤務先の健康保険組合などから資格確認書が送られる。これまでの保険証と同じくカード型やはがき型があり、有効期間は最長5年間で更新も可能だ。
[時事通信社]
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