こだわった「1回の質」=池田、故郷に勇気―相撲全日本選手権
取り直しの一番で池田の粘りが光った。ブフチョローンの馬力に追い込まれたが、足腰の強さを生かしたうっちゃりで逆転。「体が動いた」。最初の相撲は土俵際でもつれ、審判の手は相手に上がったものの同体に。「勝ってよかった」と胸をなで下ろした。
初戦から接戦や逆転が目立った。今春に就職し、社業との兼ね合いで稽古時間は学生時代の3分の1程度に減ったという。「まとまった時間が取れない分、1回の質にこだわって稽古している」。平日は基礎運動を徹底し、週末は母校の金沢学院大へ出稽古。アマ横綱に「ふさわしい相撲を」という思いに突き動かされた。
石川県七尾市出身。故郷は今年元日の能登半島地震で被災し、復旧・復興の途上にある。「今も大変な思いをされている人がいる。自分が優勝して勇気づけられたらいいなと思っていた」。地元の期待に応える見事な連覇。自称「普通のサラリーマン」が、大仕事をやってのけた。
[時事通信社]
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