プラ条約で詰めの交渉=生産規制、隔たり残る
【釜山(韓国)時事】プラスチック汚染を規制する条約策定を話し合うため、韓国の釜山で開催されている政府間交渉委員会は30日、詰めの協議に入った。バジャス議長が29日に公表した草案を基に交渉を続けているが、プラの生産規制などの項目で各国の隔たりが残っている。会合の会期は12月1日までで、一致点を見いだせるか正念場を迎えている。
草案では、生産規制をしない選択肢と、実施する選択肢を併記。規制する選択肢は、石油由来のプラを削減する世界目標を定め、各国がプラ製品の設計から廃棄までのライフサイクル全体で取り組みを進めることを義務付ける。目標は、条約に参加する国が集う第1回締約国会議で定める。交渉関係者によると、この案には欧州連合(EU)を含む100カ国以上が賛同しているものの、産油国などは反対する構えを崩していない。
草案ではこのほか、ポイ捨てされる可能性が高かったり、人の健康や環境に懸念のある化学物質を含んだりするプラ製品を対象に、管理、削減、禁止すると明記。この点に関して、プラ製品に含まれる有害な化学物質をリスト化して、規制の対象にすべきだと訴える国もある。
海洋を含むプラ汚染対策を進める上で必要となる途上国向けの支援では、利用しやすい資金を提供する仕組みを確立すると記載。しかし、基金を新設するか、既存のものを活用するかは明示しなかった。途上国は新設を求めており、着地点は見えない。
[時事通信社]
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