ユニチカ、祖業の繊維から撤退=「存続へ最後のチャンス」―官民ファンドが再生支援決定
ユニチカは28日、祖業の繊維事業から撤退する方針を発表した。不採算事業で抜本的な構造改革を行う事業再生計画を官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)に提出し、支援決定の通知を受けた。事業規模を約半減する改革を断行し、2028年3月期の全事業黒字化を目指す。
来年4月下旬をめどに機構と主力取引銀行の三菱UFJ銀行から取締役の派遣を受け入れ、現体制の社内取締役は原則として全員退任する。大阪市内で記者会見したユニチカの上埜修司社長は、「非常に反省点が多い。痛恨の極み」と語る一方、「歴史ある企業として事業継続が重要。存続するための最後のチャンス」と強調した。
撤退するのは、主に衣料繊維事業、不織布事業、産業繊維事業。同社の売上高の約4割を占め、来年8月までに事業譲渡などのめどを付けたい考え。今後はフィルム、樹脂など高収益事業に注力するとともにコスト削減も徹底し、30年3月期に連結営業利益65億円を目指している。
また、再生計画に基づき、ユニチカは取引先金融機関に約430億円の債権放棄を要請。機構に対する第三者割当増資で約200億円の出資を受ける。さらに、融資枠設定を通じて機構から最大150億円、三菱UFJ銀から最大90億円の資金調達を行う。
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