秋本前議員、受託収賄を否認=事業者から7200万円―洋上風力汚職初公判・東京地裁
洋上風力発電事業を巡り、事業者側から賄賂計約7200万円を受け取ったなどとして、受託収賄と詐欺の罪に問われた前衆院議員秋本真利被告(49)の初公判が25日、東京地裁(矢野直邦裁判長)であった。被告は現金受領や借り入れを認めた上で「職務の対価ではなく、利益供与でもない」と述べ、受託収賄罪について無罪を主張。詐欺罪の成立は争わない意向を示した。
賄賂のうち、公訴時効(3年)が経過していない計約4100万円分について贈賄罪に問われた「日本風力開発」(東京)元社長の塚脇正幸被告(65)も「私が贈賄をしたというのは全くの誤りです」と述べ、起訴内容を否認した。
検察側は冒頭陳述で、同社が参入を目指していた青森県での洋上風力発電事業について、防衛施設への影響から頓挫する可能性があったと指摘。秋本被告は塚脇被告から依頼され、過度に規制しないよう求める国会質問をし、国の担当者から事業者側に有利な答弁を引き出したとした。
秋本被告は以前から、日本中央競馬会(JRA)の馬主登録の資産要件に3000万円足りないと塚脇被告に相談。国会質問の翌月、自身の議員会館事務所で塚脇被告から無利息無担保で同額を借り、馬主登録したなどと述べた。
起訴状によると、秋本被告は2019年2月以降、塚脇被告から同社に有利な国会質問を複数回依頼され、昨年6月ごろまでに計約7200万円の賄賂を受領。また、知人の会社が申請した国の新型コロナウイルス対策の持続化給付金200万円を不正に受給したとされる。
◇洋上風力汚職を巡る経緯
2016年 日本風力開発、青森県での洋上風力発電事業参入に向けた調査に着手
17年 秋本真利被告、自民党「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」の事務局長就任
19年
2月 国会質問で青森の事業に過度な規制をかけないよう求める
3月 同社社長(当時)の塚脇正幸被告から3000万円借り入れ
21年
12月 秋田、千葉両県での事業者公募で同社は選定されず
22年
2月 秋本被告、国会質問で事業者の選定基準見直しを要望
10月27日 国、新たな選定基準公表
28日 秋本被告、議員会館事務所で塚脇被告から現金1000万円受領
23年
8月 4日 東京地検特捜部が議員会館事務所など捜索
9月 7日 秋本被告を逮捕
27日 秋本被告起訴、塚脇被告を在宅起訴
24年
10月 9日 衆院解散
11月25日 秋本被告、初公判で受託収賄罪を否認。塚脇被告も贈賄罪否認
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