大谷、不利はね返す受賞=DH専任でも高い貢献度―米大リーグ
米大リーグでは長年、DH選手のMVP受賞は難しいと考えられてきた。全米野球記者協会の記者による投票では攻守の総合力で判断する傾向にあり、攻撃面での貢献が多くても、守備に就かないことで評価は高まらず、これまでDH専門の選手の受賞は一度もなかった。
よく知られているのがレッドソックスのオルティスのケース。2006年は54本塁打、137打点でア・リーグ2冠に輝いたが、MVP投票では3位だった。受賞したのは34本塁打、130打点だったツインズのモーノー。打撃成績で及ばなかったものの、一塁手として出場し続けたことが大きかったと言われている。
ただ、今季の大谷はその不利をはね返せるだけの大活躍を見せた。本塁打、打点で2冠に輝いただけでなく、59盗塁をマークし、史上初のシーズン「50本塁打、50盗塁」を達成。オルティスは米メディアで「今年の大谷が受賞できなければ、DHをMVPに認めないという何かがあると思う」と語っていた。
近年のMVP選考で重視される指標「WAR」でも、大谷の存在感は際立っていた。打撃、走塁、守備、投球などでどれだけチームの勝利に貢献したかを示す数字で、投手と打者の比較も可能とされる。データサイト「ファングラフス」の計算によると、大谷はナ・リーグトップの9.1だった。他の候補だったメッツのリンドーは7.8、ダイヤモンドバックスのマルテは6.3。両内野手を上回り、DH専任でも総合的な貢献度が随一だったことがデータで示されていた。 (ロサンゼルス時事)
[時事通信社]
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