ヒズボラ最高指導者、主権侵す停戦なら拒否=イスラエルは「行動の自由」主張
【カイロ時事】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者カセム師は20日、ビデオ演説を公開し、イスラエルとの戦闘を巡り、レバノンの主権が侵される停戦は受け入れない考えを示した。合意後も必要と判断した場合にレバノンで軍事作戦を行う意向を示すイスラエルをけん制した形だ。
カセム師はまた、ヒズボラにはイスラエル攻撃を続ける能力があると強調。「イスラエルはわれわれに(停戦)条件を押し付けることはできない」と述べた。
停戦交渉を仲介するホックスティーン米特使は19日にレバノン入り。ヒズボラは交渉窓口を担うベリ国民議会(国会)議長を通じて米国が提示した停戦案に回答を示し、両氏は2日間にわたり協議した。ホックスティーン氏は20日、合意に向け「さらに進展した」と述べた。
報道によると、ホックスティーン氏は20日にイスラエルへ移動。デルメル戦略問題相と同日、停戦案に対するレバノン側の返答について議論し、21日にはネタニヤフ首相と会談するとみられている。
イスラエルは合意履行を監視する国際的な枠組みや、停戦後も脅威を排除するために作戦を実施できる「行動の自由」を求め、交渉の争点となっていると報じられている。イスラエル政府内には「慎重ながらも楽観的」な見方があるというが、ヒズボラの回答次第では、停戦協議が難航する可能性もある。
[時事通信社]
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