保守野党先行、政権交代も=独、2月に総選挙
【ベルリン時事】ドイツの連邦議会議員選挙が来年2月23日に実施される日程が固まった。任期満了に伴い来秋に予定されていたが、連立政権崩壊によって前倒しされる。政党別支持率では、保守野党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が一貫して首位を維持しており、政権交代が予想されている。ただ残り約3カ月間の論戦や、国際情勢の変化が有権者の判断を左右する可能性がある。
直近の支持率は、CDU・CSUが30%強。次期首相の座を見据えるメルツCDU党首は「新しい責任ある政府が必要だ」と勢いづいている。ショルツ首相が所属する社会民主党(SPD)は16%前後と伸び悩み、18%前後で2番手につける極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を追っている。
前回2021年の総選挙は、首位との差が一時20ポイント程度開いていたSPDが差し切って勝利した。党内では選挙戦の「顔」になる首相候補をショルツ氏から、人気があるピストリウス国防相へすげ替えるよう求める声が強まっている。
主な争点は、今年2年連続のマイナス成長が見込まれている独経済の再建策だ。寛容な難民対応や温暖化対策を重視する方針の見直しも議論されている。AfDがどこまで議席を伸ばすかも焦点の一つだ。一方、主要政党はロシアの侵攻を受けるウクライナを支援する基本的な姿勢で一致している。
ショルツ氏は当初来年1月半ばに自らの信を問い、3月に総選挙に至る道筋を描いた。しかし少数与党政権に陥ると退陣圧力にあらがえず、与野党協議を経て、今年12月16日に首相の信任投票を行うことが決まった。
ドイツでは不信任を受けた首相からの提案に基づき大統領が議会解散を決める。シュタインマイヤー大統領は来年2月23日の選挙日程を「現実的」だと評価した。
[時事通信社]
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