対話維持、重要性を確認=習氏、トランプ氏と協力意向―関係進展「誇り」とバイデン氏・米中首脳会談
【リマ時事】バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は16日、ペルーの首都リマで会談した。両首脳は人工知能(AI)に核兵器使用の判断を任せず、人間が制御することを確認。競争が激化する両国関係を適切に管理するため、「戦略的な意思疎通のチャンネル」を通じて対話を維持し、活用することが重要だとの認識で一致した。
米中両政府が発表した。バイデン政権下で、両首脳が対面で会談するのは2022年のインドネシア・バリ島、昨年の米サンフランシスコ近郊に続き3度目。首脳会談は1時間40分で終わり、来年1月に退任するバイデン氏にとって今回が最後の機会となった。
習氏は会談冒頭、「米大統領選を経ても、関係安定化を目指す考えは変わらない」と強調し、対中強硬路線を掲げるトランプ次期政権とも対話を継続し、協力を維持する方針を表明した。ただ、米中経済の「デカップリング(分断)」は「解決策にならない」と指摘。対中関税の大幅引き上げを訴えるトランプ氏の主張を念頭に、米国が保護主義に傾くことをけん制した。
バイデン氏は自身の政権下で米中関係が進展したことを「誇りに思っている」と語った。両国は世界で「最も重要な関係だ」と説明した上で、「他の地域にも影響を与える」として、関係安定化の意義を強調した。
両首脳は会談で、AIのリスクや安全向上に取り組む必要があるとの考えで一致。軍事分野におけるAIの技術開発の危険性を慎重に見極めるべきだと表明した。
バイデン氏は、ロシアに派遣された北朝鮮部隊がウクライナとの戦闘に参加したことを非難。ウクライナでの紛争が激化するのを防ぐため、中国が北朝鮮に対して影響力を行使すべきだと強調した。
習氏は「核心的利益の中の核心」と位置付ける台湾問題に関し、「(越えてはならない)レッドラインだ」と従来の主張を繰り返した。南シナ海問題では、フィリピンなど当事国同士の協議で解決する方針を強調。米国の関与にくぎを刺した。米側はいずれの問題でも「平和と安定」が重要だとして、互いの主張は平行線に終わった。
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