ハマス、イスラエルの「虐殺」阻止要請=アラブ・イスラム諸国、サウジで首脳会議
【カイロ時事】イスラエルとの戦闘を継続するイスラム組織ハマスは11日、エルサレムを首都としたパレスチナ国家の樹立に向け、アラブやイスラム諸国に対し、「イスラエルの攻撃やジェノサイド(集団虐殺)を終わらせるための実効的な解決策」を見いだすよう要請した。アラブ連盟とイスラム協力機構(OIC)が同日、サウジアラビアの首都リヤドで合同首脳会議を開催したのに合わせて声明を発表した。
合同首脳会議は共同声明で、パレスチナ自治区ガザなどに言及し、「地域の公正で包括的な平和は、すべてのアラブの土地に対するイスラエルの占領を終わらせなければ達成されない」と強調。占領地からのイスラエル撤退を要求した。開催国サウジの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子は「破滅的な人道状況を克服するため、パレスチナやレバノンの兄弟たちを支援する」と表明した。
だが、イスラエルのサール外相は11日、パレスチナ国家樹立を「現実的とは思わない」と指摘。仮に成立しても、それは「ハマスの国家」になると主張し、実現に否定的な姿勢を見せた。
イスラエルがイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する軍事作戦を続けるレバノンでは11日、イスラエル軍が北部地域を空爆。少なくとも16人が死亡した。
イスラエルのネタニヤフ政権は、停戦を検討しているとされるが、ヒズボラへの強硬姿勢も崩していない。カッツ国防相は12日、X(旧ツイッター)への投稿で、「戦争の目的が達成されるまで全力でヒズボラを攻撃し続ける」と主張。「(イスラエルの)独自にテロを防ぐ権利が保障されなければ、いかなる合意案にも同意しない」と述べた。
[時事通信社]
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