初回客に100万円請求も=悪質ホストクラブの新手口「一撃」―マニュアル押収で発覚・大阪府警
多額の支払いを抱えた客に売春などを強いる悪質ホストクラブ問題を巡り、初来店時に高額の請求をする「一撃」と呼ばれる手口を使った大阪・ミナミの店が摘発された。これまでとは違う手口で、捜査関係者は「100万円を請求することもあり、極めて悪質だ」と警鐘を鳴らす。
従来多かったのは、新規客には数千円の飲み放題で油断させ、2回目以降に十数万円のボトルを入れ、高額な「売掛金」(ツケ払い)返済のために売春などを強いる手口だ。
新たな手口が発覚したのは、大阪府警南署が9月に摘発したホストクラブ「Aria(アリア)」。店で押収されたマニュアルは「一撃講習」と題し、初来店時に多額の料金を請求し、1回で最大の売り上げを得る方法が書かれていた。
ターゲットの条件は「『彼女』であること」「ホストの知識がないこと」。手順は「判断不可能になるほど酔わせる」「適当なシャンパンを入れる。値段は出さない」「(酔っていても)伝票の裏書きは必ず書かせる」「翌日まで必ず一緒にいて、借り入れさせる」などと記されていた。
同署は、マニュアルを実行に移し、20代女性から現金を脅し取ったとして、恐喝などの容疑で、従業員藤咲湧斗被告(24)ら3人を逮捕。女性は藤咲被告とマッチングアプリで知り合い、交際していると認識していた。
女性は藤咲被告から「初回は数千円やから」と店に誘われ泥酔。ホテルやカラオケに連れ回された後、「いっぱいお酒注文したよね。消費者金融で上限まで借りろ」などと脅迫され、消費者金融3社から計103万円を借り、ホストクラブの代金として約108万円を支払わされたという。女性が解放されたのは、来店翌日の夜だった。
3人は別の女性からも現金160万円を脅し取ったとして再逮捕され、藤咲被告ら2人が起訴された。同署は他にも被害者がいるとみて、全容解明を進めている。
[時事通信社]
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