「高い壁」「また挑戦を」=ハリス氏「ガラスの天井」破れず―米大統領選で日本国内識者ら
米大統領選で民主党のハリス副大統領が敗北し、初の女性大統領誕生の機会は次回以降に持ち越された。女性の地位向上を阻んできた政界の「ガラスの天井」。国内の識者には「高い壁がある」と指摘する人がいる一方、「また挑戦してほしい」と期待する人もいた。
ハリス氏は、2016年大統領選のクリントン元国務長官に続く女性候補だった。お茶の水女子大ジェンダー研究所の申※(※王ヘンに其)榮教授(政治学)は敗北を「とても残念だ」と話す。
申教授は、巨大な軍事力を持つ米国では、大統領に男性的な強さが求められてきたと指摘。「女性が大統領に就くことへの不安がいまだに根強く、まだまだ高い壁がある」と分析した。
選挙戦略については、女性候補であることを強調せず、強い女性のイメージを発信できたと評価。「ハリス氏が見せてくれた新しいリーダー像は、多くの若い女性たちに勇気を与え、ロールモデルになるだろう」と語った。
千葉県の女性弁護士第一号で、58年間のキャリアを持つ渥美雅子さん(84)は「ガラスの天井はなかなか破れない」と残念がる一方、「改めて女性が大統領選に立候補する時代になったことを感じさせた」と話した。
渥美さんはハリス氏に対し、「次の4年間でさまざまな活動に取り組み、また大統領選に挑戦してもらいたい」と要望。その上で、「『女性だから』というもの珍しさではなく、『ハリスだから』という理由で選ばれてほしい」と期待を寄せた。
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