米、0.25%追加利下げ=景気、雇用維持へ緩和継続―FRB
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は7日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き下げることを決めた。利下げは2会合連続。インフレが落ち着く中、金融緩和を継続し、底堅い景気や雇用の維持を目指す。トランプ次期大統領は財政拡大などインフレ再燃につながりかねない政策を掲げているが、FRBは当面、静観する構えだ。
新たな政策金利は年4.50~4.75%。利下げ幅は前回の0.5%から通常の0.25%へ縮小した。決定は全会一致。
FRBは声明で「追加的な金利調整の検討で指標などを注意深く精査する」と指摘。パウエル議長は記者会見で、景気を押し上げも冷ましもしない中立的な水準へ金利を「時間とともに下げる」方針を示した。ただ、次回12月会合で追加利下げを行うかについては「何の決定もしていない」と述べるにとどめた。
10月の雇用統計で非農業部門の就業者数は前月比1万2000人増と、前月(22万3000人増)から伸びが急減速。航空機大手ボーイングのストライキと、米南部を襲った大型ハリケーンの影響が顕著に出た。パウエル氏はこれらの要因がなければ、伸びは「若干高くなっていた」と推測。雇用情勢は「コロナ禍前よりは逼迫(ひっぱく)していない」と分析した。
一方、2024年7~9月期の実質GDP(国内総生産)は年率換算で前期比2.8%増と、旺盛な消費にけん引され、力強い成長を維持。パウエル氏は経済活動が「予想より強い」と述べた。インフレ率も下がり続けており、9月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比2.4%と、22年半ばの9.1%から大きく低下した。
トランプ氏は選挙公約で、減税や移民規制強化、関税引き上げを掲げたが、いずれも物価上昇を招く恐れがある。ただ、パウエル氏は「選挙は短期的にはFRBの政策決定に影響しない」と明言。関連法の変更には時間がかかるとの見通しを明らかにした。
◇FOMCとFRB議長会見のポイント
一、政策金利を0.25%引き下げ、年4.50~4.75%に決定。利下げは2会合連続
一、FOMC声明「追加的な金利調整で指標などを注意深く精査」
一、パウエル議長「景気に中立的な金利水準へ時間とともに下げる」
一、同議長「(12月会合での追加利下げに関し)何の決定もしていない」
一、同議長「選挙結果は短期的にはFRBの政策決定に影響しない」
一、同議長「(トランプ次期大統領に辞任を求められても)辞めない」
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