三役復帰に気負いなく=正代、大関経験糧に―大相撲・博多彩る人気者(下)
1年半ぶりの三役復帰。小結に返り咲いた元大関の正代は「給料が上がるな、というくらいで三役に特に思い入れはない」と、どこ吹く風だ。ひょうひょうとした口ぶりは変わらない。マイペースを貫き、初日を迎える。
東前頭10枚目で迎えた7月の名古屋場所から2場所続けて2桁白星。「全体的に攻める相撲が多かった」と手応え十分。大きなけがさえなければ、圧力十分の出足は健在だ。右足の親指などに不安があった時期を乗り越え、「伸び伸びやらせてもらっている」と言う。
番数は多くはないが、内容を重視して日々の稽古に向き合う。「(状態は)可もなく不可もなく。あまり張り切っても仕方がない」とベテランらしい。「調子がいいとかは考えないようにしている」と語る33歳。余念を持たないことが、好結果への近道だと分かっている。
2年前の九州場所で大関陥落が決まった。在位した2年余りは絶えず周囲からの重圧にさらされたこともあり、「失った2年間」と独特の表現で振り返るが、「いい経験だった」ときっぱり。酸いも甘いもかみ分けてきたことが、土俵人生の糧になった。
熊本県出身で準ご当所となる九州場所。注目を浴びるのは苦手で、「九州で伸び伸び取れたことはない」と苦笑いを浮かべつつ、故郷も訪れる場所後の冬巡業は「三役で回った方がいい」とモチベーションにもなっている。存在感を発揮し、地元を盛り上げるつもりだ。
[時事通信社]
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