士気高めたベテラン=悔しさ知る桑原と筒香―DeNA、進化のプロ野球日本一(下)
DeNAが7年ぶりの日本シリーズで顔を合わせたのは、前回と同じソフトバンク。2017年と同様に勝率6割5分以上でパ・リーグ王者となった相手と、3位から勝ち上がったDeNA。下克上を果たすことができたのは、7年前の敗戦の悔しさを知るベテラン2人の働きが大きかった。
第1、2戦と連敗した10月27日の試合後、桑原はミーティングで率直な思いを吐露した。「はっきり言って勝てる雰囲気を感じない」。日本シリーズに出て満足しているのではないか。そうしたチームの空気が腹立たしかったという。
7年前も1番で全試合に出場した桑原は、26打数4安打と結果を残せなかった。「先を見たら足をすくわれる。目の前の一試合に懸けてやるしかない」。3勝2敗で王手をかけた第6戦。一回に遊撃への当たりで一塁にヘッドスライディングした。安打をもぎ取った執念に、横浜スタジアムが沸いた。
外野守備でも頭から飛び込んで捕球するなど、気迫あふれるプレーを見せた31歳。毎試合安打を放ち、5試合連続打点はシリーズ新記録。打率4割4分4厘と打ちまくり、最高殊勲選手に輝いた。
5年ぶりに古巣のユニホームに袖を通した筒香は、17年は4番で全6試合に出場。「以前と比べて勝ちたいと思う選手が増えた。CSの途中から一つになる感じが出てきている」。CSは代打での出場にとどまったが、ベンチで鼓舞し続けた。日本シリーズは第2戦から先発出場し、6戦目には先制のソロ。大砲の一発が猛攻の口火を切った。
若手の台頭で、シーズン中は控えに回ることも多かった桑原と筒香。経験豊かなベテランは、やはり大一番では頼もしかった。
[時事通信社]
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