「松坂世代」に支えられ=和田、切磋琢磨した22年―プロ野球・ソフトバンク
和田の22年間のキャリアを支えた大事なもの。それは同じ1980年度生まれで「松坂世代」と呼ばれた野球人の存在だ。「平成の怪物」こと松坂大輔を筆頭に藤川球児、杉内俊哉、村田修一。堂々たるライバルと切磋琢磨(せっさたくま)できたことが、「自らを高めてくれた」と口にしてきた。
左肩痛から復活して8勝を挙げた2020年。藤川ら同世代が次々とユニホームを脱いだ。そのたびに和田はライバルたちの最後まで戦い抜いた姿を見て、理想の引き際について考えるようになっていた。けがが人ごととは思えなくなり、「彼らのように、やり切ったと思える状態で野球を辞められることが一番の幸せ」との思いがあった。
その翌年、松坂が故障との闘いの末に引退。ついに和田が同世代で「最後の現役選手」と言われるようになった。心境を問うと、こんな言葉が返ってきた。「いいじゃないですか。松坂世代という名前をつくってくれた大輔のおかげだし、その同級生というだけ。僕の名前を出してもらえるだけでも、ありがたい」。謙虚で実直な和田らしい答えだった。
けがに苦しみはしたが、積み上げた勝ち星は日米で165。引退を見届けてきた戦友と同じく、十分にやり切ったと言える。まさに、和田が4年前に言っていた「幸せ」な野球人生の終わり方だった。
[時事通信社]
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