攻め続けて念願=家族に届けた竹ノ内―全日本剣道選手権
31歳になった竹ノ内には、初優勝した10年前とは違う覚悟が備わっていた。「絶対に取りたい大会だった」。念願をかなえ、感情をあふれさせた。
初優勝を狙う合屋との決勝も、攻め続けた。「先に仕掛けるという自信とプライドをぶつけた」。言葉通りに正確な一本を二つ奪って完勝。会場は大きな歓声に包まれた。
初めて日本一に輝いたのは筑波大在学中の21歳のとき。現役大学生の制覇は、当時43年ぶり2人目の快挙だった。「無我夢中。気付いたら優勝していた」と振り返る。だが、その後は順風満帆とはいかなかった。
苦しい時期を支えてくれたのは、家族の存在。「けさも妻と子どもがパパ頑張ってと言ってくれた。本当に力になった」。この日がちょうど結婚7年目の記念日だったという。
昨年から東京都の主将も務め、大きな責任感と自覚も生まれている。「守るものがある責任感。そういうプライドを持って全試合を戦えた」。10年ぶりの栄冠は、成長の証しとなった。
[時事通信社]
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