名古屋のランゲラック、有終の美=愛されたGKが置き土産―ルヴァン杯サッカー
日本でのラストシーズンで最高の思い出ができた。7シーズン在籍した名古屋を今季限りで離れるGKミッチェル・ランゲラック(36)が、自身最後のルヴァンカップで最優秀選手に輝いた。
子供の将来を考え、母国オーストラリアのメルボルン・ビクトリーへの移籍を決意。「決断を共有して残り試合を戦う方が、ファンに感謝を示せる」と夏に公表した。リーグ優勝は既に厳しい状況だったため、「残る可能性に懸けたい」とルヴァン杯へ意気込んでいた。
ランゲラックのために、と仲間が結束するきっかけとなり、自身もプレーで応えた。PK戦となった準々決勝では相手のシュート阻止だけでなく2人目のキッカーを務めて成功。決勝でもPK戦での勝利に貢献した。
加入した2018年は残留争いを経験したが、21年はJリーグ記録の9試合連続無失点を成し遂げ、ルヴァン杯で初めて頂点に。今季はクラブで初めて、外国籍選手として主将を務めた。山口素弘ゼネラルマネジャーは「ビッグセーブに目がいくが、日頃の準備、家族らへの優しさは全ての人が見てきた」とたたえる。
10月には退団セレモニーが行われ、ファンから惜別の拍手を送られた。「外国人選手がこのような経験はできない。愛情をもらい、愛着があるクラブでプレーできてうれしい」と語っていたランゲラック。「有終の美」とも言えるタイトルは、他の選手やサポーターにとって忘れられない置き土産となった。
[時事通信社]
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