「モペットはバイク」明記=相次ぐ違反、改正道交法1日施行―摘発強まる見通し・警察当局
ペダル付き原付き自転車「モペット」は、ペダルをこいで走行してもバイクに分類され、運転にはヘルメットや免許証が必要だ。このルールを明記した改正道交法が1日に施行された。違反が相次いでいるためで、今後、警察当局の摘発は強まる見通しだ。
モペットの公道走行には、免許証の所持のほか、▽ナンバープレートの取り付け▽ミラーの装着▽自賠責保険の加入―などが義務付けられている。ただ、交通ルールが守られないケースは多く、警察庁によると1~8月に全国で摘発した違反は1356件に上った。
「モーターを切れば大丈夫だと思っていた」。9月下旬、東京都港区でヘルメットをかぶらずモペットに乗っていた女性は、警察官に警告されてこう話した。ペダルをこげば自転車扱いだと思っていたと主張したが受け入れられず、モペットを押し、徒歩で現場を後にした。
捜査関係者によると、モペットの利用者には「自転車だと思っていた」などと弁解する違反者が多い。これまでは警告にとどめるケースもあったが、11月からはペダル使用の有無にかかわらず、バイク扱いとルールが明確化される。警視庁幹部は「『知らなかった』では済まされなくなる」と強調する。違反の取り締まりもしやすくなるとみられる。
業界関係者などによると、違反が相次ぐ背景には、ミラーやウインカーなどが装着されない車体がインターネットで販売されている実態がある。海外で製造されたモペットが日本の保安基準を満たさないまま輸入、販売されるケースもあるという。
あるフリマサイトでは「運転免許が不要」との誤った記載や、「公道走行が可能か不明」と曖昧な説明もある。交通ルールの理解が不十分なまま、個人同士で取引されているとみられる。
一方で、モペットの販売に当たり、プレートの登録や自賠責保険の加入を必須とする業者もある。都内や大阪市で店舗を展開する「原ちゃり電ちゃり」はその一つで、代表の呉本新衛さんは「モペットをおもちゃ感覚で乗っている人が多い。ルールを守って乗ってほしい」と話した。
[時事通信社]
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