「ヒットマン7人抱えていた」=麻薬密売人の殺害で議会証言―前比大統領
【マニラ時事】フィリピンのドゥテルテ前大統領は28日、在任中に自ら麻薬密売人の超法規的殺害を命じたとされる「麻薬戦争」について上院公聴会で証言した。ドゥテルテ氏は「国のためにやるべきことをやっただけ。謝るつもりも、言い訳するつもりもない」と強調した上で、地元で自ら7人のヒットマンを抱えていたと認めた。
ドゥテルテ氏は、計20年以上市長を務めていた同国南部の地元ダバオ市で、暗殺集団を雇っていたことを明かし、「皆死んだ」と語った。密売人らが反撃するよう仕向けろと警察に指示していたとも告白。「殺害する理由ができるからだ」と説明した。ヒットマンだけでなく、警察官にも報酬を払っていたと証言した。
ドゥテルテ氏は大統領だった2016~22年、違法薬物を根絶するため「麻薬戦争」を仕掛け、密売人らを殺害。警察は死者を7000人以上としているが、3万人が殺害されたとの見方もある。
この問題を巡っては、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)が人道に対する罪で捜査しているが、フィリピンは19年にICCから脱退しており、独自に調査を進めている。今月上旬には、ドゥテルテ氏の元側近の警察幹部が密売人殺害の報酬システムなどについて証言。波紋が広がっていた。
[時事通信社]
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