消えゆく「先発完投」=投球回など高いハードル―プロ野球・沢村賞
沢村賞は2019年以来の該当者なし。選考委員会の議論は長引き、堀内委員長は候補者について「帯に短し、たすきに長し」と表現した。昨年まで3年連続で受賞した山本が米大リーグ、ドジャースへ移籍。傑出した存在がいなくなり、選考は一気に難しくなった。
最終候補に残ったのは、選考基準の4項目を満たした戸郷(巨人)と、3項目ながらバランスよく成績を残した有原(ソフトバンク)。しかし、2人とも投球回数200と完投数10の基準に遠く及ばなかった。
今季は両リーグ計6人が防御率1点台で、投手の成績のレベルは例年と比べても低くはなかった。毎試合で完投を目指す先発投手を理想とする考え方が薄れていることもあり、投球回数などの基準は時代に沿っていないとの声もある。
往年の大投手、沢村栄治氏の名を冠した先発完投型投手の勲章。基準の見直しについて、堀内委員長は「格式を持った規定を維持しつつ、変えるものは変えていかなければいけない。ただ時期はもうちょっと(先)」と悩ましげに語った。
[時事通信社]
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