「関係改善と発展」で合意=外相級の対話維持も―中印首脳
【北京時事】中国外務省は24日、ロシアで23日に行われた習近平国家主席とインドのモディ首相との会談について、両首脳が「関係改善と発展」の方向性で合意したと発表した。国境問題で冷え込んだ両国関係の修復を目指し、外相級を含む「あらゆるレベル」での対話維持のほか、新興国グループ「BRICS」などの枠組みを通じた協力強化で一致した。
中印首脳の会談は2019年以来5年ぶりだった。会談で習氏は「中国は競争相手ではなくパートナーだ」と強調。両国にとって「発展」こそ最重要だと指摘し、インドのさらなる経済成長のため、対中協力によって得られる実利に目を向けるよう促した。
モディ氏は「印中関係の安定は28億人(の両国民)の未来にかかわる。中国との戦略的意思疎通、戦略的相互信頼を強めていく」と応じた。
中印関係は20年に国境地帯で両軍が衝突し死者が出てから急速に悪化。両国は今月21日、事実上の国境に当たる実効支配線付近での軍の巡視について合意に達し、首脳会談にこぎ着けた。米国と対立する中国には、安全保障上の連携を深める米印にくさびを打ち込みたい思惑もあるとみられる。
ただ、中印間の国境を巡る争いは1950年代にさかのぼる根の深い問題で、対象地域は3000キロ以上にわたる。今回の合意は、あくまでも情勢の一時的安定を図るための措置とみられており、両国関係が本格的な改善に向かうかは依然として不透明だ。
[時事通信社]
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