中印首脳が5年ぶり会談=国境問題、解決策模索で合意
【北京、ニューデリー時事】中国の習近平国家主席とインドのモディ首相が23日、ロシア中部カザンで開催中の新興国グループ「BRICS」首脳会議に合わせて会談した。両首脳の正式会談は2019年以来で5年ぶり。インド外務省によれば、両首脳は国境地帯の平和と安寧のため、相互に受け入れ可能な解決策を模索することで合意した。
中国国営中央テレビによると、習氏は会談で、中印の関係発展が「両国にとって利益になる」と強調。「中印は意思疎通と協力を強化し、相違点に適切に対処すべきだ」と述べ、インドと共に「世界の多極化」を推進したい考えを示した。
モディ氏は「互いの尊重と思いやりが関係の基盤となるべきだ」と述べた。
中印関係は20年、国境地帯で両軍が衝突し20人以上の死者が出たことをきっかけに急速に悪化。問題解決へ向けた協議を重ねてきたが、目立った進展は見られなかった。習政権が米印の接近を警戒する一方、インドは同国の伝統的な勢力圏であるモルディブやスリランカで中国が影響力を高める事態に危機感を抱いてきた経緯もある。
ところが、今年7月に中国の王毅共産党政治局員兼外相とインドのジャイシャンカル外相が2回にわたり会談。軍・当局間の対話強化で合意し、関係改善の兆しが見え始めた。
インド外務省の高官は今月22日、事実上の中印国境に当たる実効支配線付近での軍による巡視について、20年の衝突以前の状態に戻す方針で中国側と21日に合意したと発表。中国外務省の報道官も「解決策で一致した」と述べた。
[時事通信社]
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