BRICS、西側制裁に懸念=「拡大」「反米」に温度差も―ロシア主導で首脳宣言採択
新興国グループ「BRICS」首脳会議は23日、ロシア中部カザンで少人数・全体会合を行い、西側諸国による制裁がもたらす悪影響に「深い懸念」を示す成果文書「カザン宣言」を採択した。新興5カ国の枠組みにイランやエジプトなどが加盟して以降初めての「ロシア主導のサミット」。22日に開幕した首脳会議は、24日にパートナー国を含めた拡大会合を実施して閉幕する。
宣言は、ロシアのウクライナ侵攻の解決に向けた各国の仲介努力を歓迎したほか、イスラエルの軍事作戦に伴うパレスチナ自治区ガザの人道状況に危機感を表明した。
議長を務めるプーチン大統領は22日、インドのモディ首相、中国の習近平国家主席と個別に会談。対米で共闘する習氏とは中ロ国交樹立75年を祝い、BRICSの拡大路線も確認した。ただ、米ブルームバーグ通信によると、インドなどは加盟国拡大に慎重とされる。
モディ政権は、中ロが結束してBRICSの「反米化」を進めることに反対だと伝えられる。ロシアが伝統的友好国とはいえ、国境問題を抱える中国への警戒や、日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」との兼ね合いもあるとみられる。
[時事通信社]
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