インドの遅すぎる裁判 20年以上係争中の訴訟も
【ニューデリーAFP=時事】ソニアさん(仮名、52)をレイプした男らに有罪判決が下るまで32年かかった。インドでは法的手続きが非常に遅いのは当たり前で、約50万件の訴訟が20年以上も係争中となっている。≪写真は首都ニューデリー郊外ガジアバードの裁判所で書類に目を通す弁護士≫
ソニアさんは若い頃、暮らしていた北西部ラジャスタン州アジュメールでレイプされた。1992年に始まった裁判は長年にわたって進展と停滞を繰り返し、ソニアさんにトラウマを与えた。先々月、ついに男6人に終身刑が言い渡され、裁判は終わった。
「痛みでいっぱいだ」とソニアさんは語る。
現在、人口約14億人のインドの全国の裁判所で争われている訴訟は、少なくとも4400万件に上る。
インド法務省の統計によると、驚くべきことに53万3000件の訴訟が20年から30年間にわたって棚上げされている。うち4分の3以上が刑事訴訟だ。
今のペースでいくと、すべての訴訟が終わるのには、新規の訴訟を含めなかったとしても、数世紀まではいかなくとも数十年かかるかもしれない。
インドの法的手続きは、英国植民地時代に根ざした厳格な規則に縛られている。
審理を簡素化・組織化するためのデジタル化への投資はほとんどない一方、人口100万人あたりの判事はわずか21人と非常に少ない。
ニーラム・クリシュナムルティさんは、1997年にデリーの映画館で発生した火災で当時13歳と17歳だった子ども2人を亡くした。
それから27年たった今も、映画館のオーナーらとの法廷闘争を続けている。
クリシュナムルティさんは「これは終わりのない物語だ」と語り、世間の関心が高い事件でしか司法はすぐに動かないと非難した。【翻訳編集AFPBBNews】
最新ニュース
-
山口、無念の棄権=全日本バドミントン
-
昇任試験も漏えいか=前生安部長を書類送検―鹿児島県警
-
志田、松山組が8強=全日本バドミントン
-
宮城県、労働者受け入れで覚書=カンボジアと全国初
-
長期金利上昇、一時1.110%=13年ぶり水準
写真特集
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕
-
閉会式〔パリ五輪〕
-
レスリング〔パリ五輪〕