関大の金丸、揺るがぬ安定感=最後の秋は守護神―プロ野球・ドラフト注目の逸材
思い描いていた大学最後の秋ではなかったかもしれない。関西学生秋季リーグ戦の開幕週の9月8日。関大の金丸夢斗投手は慣れ親しんだ先発ではなく、九回のマウンドを任された。春のリーグ戦後半に腰を痛めた影響で約4カ月ぶりの実戦登板となったが、「質のいい真っすぐは投げられた。感覚を直せば、いつも通りに戻る」。その後も主に守護神として白星に貢献。安定感は揺るがなかった。
大学で急成長を遂げた。同じ神港橘高(旧市神港高)の大先輩で関大OB、元阪急(現オリックス)投手の山口高志さんとの出会いがきっかけで関大に進学。アドバイザリースタッフの立場から基礎練習を重点的に指導され、「しっかりと土台づくりができた。それが今に生きている」。金丸の特徴であるワインドアップの投球フォームも2年時に山口さんから教わったものだ。2年春に150キロをマークし、秋は無傷の6勝で最優秀選手(MVP)に。リーグを代表する本格派に飛躍した。
4年春に途切れるまで、リーグ戦18連勝。「7、8割の力感で100%の力を出す」という意識が染み付いた。人一倍、時間をかける体幹トレーニングの成果も。平均140キロ台後半でスピンのかかった速球に加え、3年時からは変化球の精度も向上。どの球種でも空振りが奪えるようになった。
今秋は先発がなかった。こだわりはあったが、「与えられたイニングで、しっかりチームに貢献できるように」と気持ちを抑えた。緊迫する試合終盤を任されたのは、絶大な信頼があるから。勝利のために腕を振った経験が、次のステージに生きるはずだ。
[時事通信社]
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