監督でもゴールへまい進=岡崎慎司さん、新たなスタート―ドイツ・サッカー
【マインツ(ドイツ)時事】サッカー元日本代表FWで、昨季限りで現役を退き、今季からドイツ6部リーグ、バサラマインツの監督に就任した岡崎慎司さん(38)がこのほど、時事通信の単独インタビューに応じた。「一つの人生を終え、新しい人生をスタートさせた感じ」。裏方の仕事にも精力的に取り組み、指導者の枠を超える活動範囲で「全てサッカーのために」と情熱を注ぐ。
バサラマインツは10年前、兵庫・滝川二高の先輩である山下喬さんと共同で「日本の若者が海外でプレーし、成長するための場に」と創立した。ドイツ選手や外国選手も所属するアマクラブで、選手の意識もレベルも十人十色。監督として手腕が相当問われるだけに、「5~10年はとにかく経験」と考える岡崎さんには理にかなった現場だ。「10年後、50歳ぐらいからは(プロの)指導者として勝負する」。地道に経験を積み、表舞台を目指すつもりだ。
「代表の強化だけではワールドカップ(W杯)で優勝できない。草の根部分、そのスタンダードを変えないと」。町クラブでも専用グラウンドを持ち、サッカーのある場所に自然と人が集まる。自らが肌で感じてきた「欧州サッカーの日常」を基準に、そう語る。だからこそ、選手としても、指導者としても欧州での活動にこだわる。
今月3日のリーグ戦で、新スポンサーがお披露目された。欧州ですしなどの製造・販売を展開するイートハッピー社で、今後は若者の海外挑戦を就業面で支えるプロジェクトでもタッグを組む。岡崎さんについて、同社のテスマン代表は「何かを変えようとするエネルギーとビジョンが素晴らしい」と評した。かつてのストライカーは「新たな人生」でもゴールへまい進する。
[時事通信社]
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