2024-10-15 18:27社会

94%「物価高、収入で補えず」=育英会、困窮家庭を調査―保護者「希望持てる政策を」・衆院選公示【24衆院選】

募金を呼び掛ける「あしなが育英会」の奨学生ら(資料)

 衆院選が15日、公示された。物価高対策が争点になる中、「あしなが育英会」(東京都千代田区)の調査では、親が亡くなったり、重い障害を抱えたりする困窮家庭の94%は「収入が物価上昇分をカバーできない」と回答していた。保護者は「希望を持てる政策を」と訴えている。
 育英会は7月18~31日、全奨学生の保護者5179人にオンラインで緊急アンケートを実施。約6割に当たる3107人から回答を得た。
 調査の結果、昨年同時期と比べ収入が「増えた」のは14.5%だった。「減った」が28.2%、「変わらない」が57.3%となり、約85%で実質的に収入が低迷している実態が浮き彫りになった。
 収入と物価のバランスを尋ねると、「収入が増え物価上昇分をカバーできている」と答えたのはわずか2.5%にとどまった。「カバーできない」と答えたのは94.2%で、そのうち、「収入が減少しカバーできない」は27.1%、「収入が横ばいでカバーできない」が52.7%だった。
 「昨年以上に物価高の影響を受けていると感じるか」との問いには99.6%が「感じる」と回答。最も節約しているものを聞くと食費が最多52.8%で、服・美容代16.0%、光熱水費13.9%、交際費5.4%が続いた。
 夫が過労で倒れて介護が必要となり、大学4年の次女が育英会の奨学金を受ける東京都の40代女性は、物価高の影響で腎臓疾患がある夫の専用食が値上がりしたと嘆く。食費を削ってしのぐといい、女性は1日1食で済ます日も多いという。女性は「国は国民の生活実態を把握していない。若い世代が希望を持てるような政策を立ててほしい」と訴えている。 
[時事通信社]

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