大トリ飾る鮮烈TKO=中谷、次は4団体統一へ―ボクシング世界戦
2日間にわたるボクシング興行の大トリを、鮮烈な豪打で彩った。6回の中盤、中谷がかぶせた左の強打からは重い音が響いた。ダウンから立ち上がった挑戦者を追い込み、最後は左ストレートではいつくばらせてTKO。「ほっとした。しっかり倒して勝ててよかった」。どよめきの残る中で笑顔を浮かべた。
およそ5年4カ月ぶりだった左構えの相手との試合。序盤は慎重に入った。どの距離、どの角度なら当たるか。少しずつ見極め、この一戦のために磨いたアッパーを5回から多用した。タフな相手を仕留め、「気負わずにKOできた」。
パワーと技術は、第二の故郷で培われている。練習拠点の米国で行う恒例の試合前合宿だけで、今回は約160ラウンドのスパーリングをこなした。「3分間で目標200発」などテーマは独特で幅広い。「15歳から来ている場所。毎回初心に戻れている」との思いから湧き出る緊張感と激しさが王者の土台にある。
全勝街道をひた走る中、階級が一つ上の「モンスター」井上尚弥との対戦を望む声も大きくなってきた。報道陣に水を向けられると、体は対応できるとの感触を示しつつ、「まだバンタム級なので」。当初のターゲットだった尚弥の弟拓真が13日にベルトを失ったものの、「王者なら誰でも。しっかり自分を高めたい」と言う。まず4団体統一へ進む気持ちは揺らがない。
[時事通信社]
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