上場200社、開示時刻繰り下げ=東証の取引延長で―9月中間決算
上場企業約200社が、10月末から本格化する2024年9月中間決算の開示を従来の時刻から遅らせ、午後3時半以降とすることが12日、分かった。東証が11月5日から株の取引時間を30分延長し、午後3時半までとするのに対応した措置とみられる。現在、多くの企業の決算発表は取引終了後の午後3時~3時29分に集中しているが、延長後も終了後の開示を続けようとする姿勢は「投資家軽視」との批判を招きかねない上、開示が遅くなれば情報漏えいによるインサイダー取引のリスクを高める恐れもある。
東証の取引時間延長が始まる11月上旬は9月中間決算発表の集中期に当たる。東証が10月3日時点でまとめた中間集計によると、今年夏に24年4~6月期決算を取引終了後の午後3時~3時29分に開示した1103社のうち、半数程度の約500社が従来通りの時間帯に開示すると答えた。一方、午後3時半以降に遅らせると回答した企業は2割の約200社に上り、午後3時よりも早めると答えたのは50社強にとどまった。
東証はこれまで、上場企業に決算などの重要事項の「速やかな開示」を強く要請してきた。だが、「取引時間内に開示すると一部の数字が独り歩きし、株価に悪影響が及びかねない」(経営者)と警戒し、消極的な企業も多いのが実情だ。
市場関係者は「資料開示後、経営者が迅速に会見を開いて説明すれば、投資家が一部の数字を早とちりしてしまう事態は避けられる」(運用会社ストラテジスト)と指摘しており、情報公開に対する企業側の姿勢が今後、厳しく問われそうだ。
[時事通信社]
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