2024-10-12 16:08社会

「被ばくの事実、伝える場に」=担当者、決意新た―第五福竜丸展示館

第五福竜丸展示館でのイベントなどを取り上げた「被団協新聞」を手に、ノーベル平和賞の受賞決定について語る第五福竜丸平和協会の市田真理さん=12日、東京都江東区

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞発表から一夜明けた12日、被団協設立の契機となった漁船が保存される第五福竜丸展示館(東京都江東区)には多くの人が訪れた。第五福竜丸平和協会の市田真理さん(57)は「被ばくの事実を伝える場であり続けたい」と決意を新たにした。
 第五福竜丸は1954年3月、マーシャル諸島ビキニ環礁で米国の水爆実験により被ばく。日本被団協はこれを機に56年に結成された。
 市田さんは「とうとう受賞が決まった」と喜んだ上で「被ばくについて語り継ぐ責任を果たすためにも、展示館は事実を伝え、考えるきっかけを提供する場でありたい」と意気込んだ。
 館内で広島・長崎への原爆投下などの絵を展示する画家山内若菜さん(47)=神奈川県藤沢市=は「世界は被爆者の長年の尽力を見ていたと感じた。私も絵を通じ、被爆者の体験を伝えていきたい」と話した。
 小学4年の息子と訪れた弁護士千葉博さん(59)=世田谷区=は「核兵器のない世界の実現に向け私も声を上げたい。今回の受賞決定が、息子が核について考えるきっかけになれば」と願った。 
[時事通信社]

第五福竜丸展示館を訪れた人たち=12日、東京都江東区

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