「核禁止条約批准を」=ノーベル平和賞受賞決定で―広島・長崎
「受賞を機に、日本は核兵器禁止条約を批准してほしい」。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞決定を受け、被爆地広島と長崎では12日、改めて核廃絶と平和を訴える声が上がった。
広島市中区の平和記念公園。胎内被爆者で、2006年から原爆ドーム前でボランティアガイドを務める広島県府中町の三登浩成さん(78)は「受賞を機に、日本が核兵器禁止条約を批准するなど良い方に一歩踏み出してほしい」と訴えた。
約20年前から原爆ドーム前で平和をテーマに歌う同県呉市のシンガー・ソングライター池田智子さん(62)は「受賞決定はうれしかった。亡くなられた被爆者も喜ぶだろう」と思いをはせ、「世界の方が広島に来てくれたら、被爆の実相を知ってもらえるのではないか」と話した。
広島市東区のプロ自転車ロードレーサー宮崎健太さん(24)は、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が昨年開催されたことを念頭に「平和の象徴の場所としての広島がさらに広まれば」と語った。
鹿児島市の会社員男性(63)は「ずっと活動を続けてきた大変さに頭が下がる」と日本被団協の活動をたたえ、「核兵器と戦争をなくしてほしいという思いが世界に発信できたら」と期待した。
長崎市の平和公園を訪れた福島県郡山市の団体職員斎藤一浩さん(69)は「受賞が決まり、本当に良かった」と喜ぶ。その上で「核兵器がなくなれば一番いいが、それぞれの国の事情でなかなかそうならない。受賞が一つのきっかけになれば」と核廃絶を願った。
[時事通信社]
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