被災者「選挙どころでは」=自治体、準備に追われる―石川県輪島市など・衆院解散
元日の地震と9月の記録的大雨で「二重被災」した石川県・能登半島。被災地の自治体も投開票に向けた準備に追われるが、住民からは「選挙どころではない。目の前のことで精いっぱいだ」との声が漏れる。
被災自治体が頭を痛めるのは、投票所の設置場所だ。公民館などの施設の中には、避難所として使われていたり、大雨被害からの復旧が間に合わなかったりするところもある。
このため、輪島市は前回20カ所だった投票所を18カ所に減らし、珠洲市は19カ所から10カ所に集約。両市の選挙管理委員会は投票時間を短縮した。
「選挙が想定より早かった。直前に大雨もあり、担当職員総掛かりで準備を進めているところだ」と珠洲市の担当者。両市とも、通常なら開設する巡回型の期日前投票所を設けることも断念し、輪島市の担当者は「通信環境や道路事情によりすべての地区では実施できず、公平性も考慮した」と説明する。
輪島市町野町の仮設住宅に住む屋舗芳枝さん(75)は「私の仮設住宅はお風呂のお湯が出ず困ることもあり、選挙どころではない。なぜ今、選挙なのか」と困惑気味。一方、投票には行くつもりといい、「誰にも権利がある」と話した。
[時事通信社]
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