「全ての被害者救済を」=補償法成立で原告ら―強制不妊
旧優生保護法下で不妊手術を強いられた人々への補償法が成立したことを受け、国に損害賠償を求めた訴訟の原告らが8日、国会内で記者会見し、「全ての被害者を救済してください」と訴えた。
7月の最高裁判決で勝訴が確定した東京都の原告北三郎さん(仮名、81)は、参院本会議場で法案の成立を見届けた。「同じ悲劇を絶対に繰り返してもらいたくない。きょうできた法律を、声を上げられない人たちにしっかりと届けてください。自分のことを自分で決められる社会につながることを心から願っている」と話した。
聴覚障害のある名古屋市の原告尾上敬子さん(74)も本会議を傍聴し、「感動の涙が出た」と手話で語った。訴訟中に亡くなった原告6人に触れ、「全員で見られたらうれしかったのに残念。もっと早く国が動いてくれれば良かった」と悼んだ。
全国被害弁護団共同代表の新里宏二弁護士は「全体の被害救済のための第一歩だ」と評価する一方、旧優生保護法の施行から76年が経過したことを挙げ、「ずいぶん時間をかけてしまった」と悔やんだ。「被害の検証だけでなく、偏見や差別を解消するための仕組みをきちんとつくらなければならない」と述べた。
[時事通信社]
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