内定式、交流で一体感=不安解消しつなぎ留め
2025年春の入社予定者の内定式が1日、全国各地で行われた。学生に優位な「売り手市場」が続く中、企業は内定式を内定者同士や社員との「交流」の場として活用。入社に向けた不安を取り除き、学生のつなぎ留めに努めようとしている。
全日本空輸が東京都内で開いた内定式では、676人が色紙に抱負を書き込み、入社への思いを新たにした。登壇した井上慎一社長は「皆さんの心意気、熱意に大いに期待している」と呼び掛けた。
ロッテは内定者約60人が、同社のチョコレート「ガーナミルク」を頬張りながら式に臨んだ。歴史の重みを伝えて入社への期待感を高める狙い。研究職採用の五十嵐竜士さん(24)は「自分たちの成長を楽しみにしてくれていると感じ、わくわくした」と笑顔を見せた。
NTTドコモは学生の疑問にきめ細やかに対応するため、式典後、人事担当者が質問に応じる場をオンラインで設けた。損保ジャパンでは309人が参加。保険業界では昨年来、旧ビッグモーターによる不正請求問題などが発覚しており、酒井香世子常務執行役員は「皆さんと新しい損保ジャパンをつくっていきたい」と語りかけた。
就職情報会社、学情の調査では、今年の内定式は9割近くが対面で実施。社員との交流会を設ける企業もあり、「入社に向けて一体感を作りたい」(NEC人事担当)と考える企業が多いようだ。
[時事通信社]
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