アルカラス、薬物騒動が再燃のシナーに同情
【北京AFP=時事】男子テニスのカルロス・アルカラス(スペイン)が29日、ヤニック・シナー(イタリア)の薬物問題が再び取り沙汰されたことについて、テニス界にとって「いいことではない」としながらも、シナーに同情した。≪写真は男子テニスのヤニック・シナー≫
シナーは3月のドーピング検査で微量のクロステボールが2度検出されたが、テニスの不正監視団体ITIAは、チームの理学療法士が切り傷の治療に使っていたスプレーに禁止物質のクロステボールが含まれており、マッサージやセラピーの際にシナーの体内に混入したという説明を受け入れ、大会への出場継続を認めていた。
しかし、世界反ドーピング機関(WADA)は先日スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴し、最大2年の資格停止を求めている。
これについて、中国オープンに出場中のアルカラスは「テニスにとってあまりいいことではないし、テニス界全体にとっていい兆候ではないと思う」と話しつつ、2回も陽性になった理由に対するシナーの説明に疑問を持つ選手もいる中、同情している様子を見せた。
アルカラスは「彼にとっては難しい状況だ。みんながその話をしているし、ニュースでも話題になっている」とコメント。「本人もニューヨーク(全米オープン)の前に言っていたが、彼に対する見方が変わり始めている」と話し、「これからどうなるかは分からないが、彼の立ち位置は間違いなく理解できる。同情するよ」と話した。
さらに「いずれにせよ、今そういう状況にある中で、彼が見せているプレーのレベルは信じられない」と称賛し、「この件がすぐに片付いて、テニスと成長という、彼が本当にやりたいことに集中できるようになってほしい」と願った。
アルカラスはこの日の2回戦に快勝し、中国オープンの準々決勝に進出した。シナーも同大会で8強入りしており、30日にイジー・レヘチカ(チェコ)と対戦する。【翻訳編集AFPBBNews】
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