イスラエル首相、停戦で二転三転=対ヒズボラ強硬派と米国に苦慮
【エルサレム時事】イスラエルのネタニヤフ首相は27日の声明で、米国や日本などが提案したレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの一時停戦を巡り、「米国主導の取り組みと目的は共有している」として、協議を続けていると明らかにした。前日には「全力でヒズボラに対する攻撃を続ける」と強調していたが、停戦を求める米国と政権内の対ヒズボラ強硬派への対応に苦慮し、発言が二転三転している。
米国などは25日に21日間の停戦案を提示。地元メディアによると、ネタニヤフ氏は側近のデルメル戦略問題相と共に提案について説明を受け、いったんは同意したが、26日になって閣内の極右強硬派の反発を考慮して攻撃継続へ方針転換した。
ブリンケン米国務長官は26日にデルメル氏とニューヨークで会談。一時停戦合意の重要性と外交的解決によるイスラエル・レバノン双方の民間人帰還を訴え、「紛争のさらなる激化はこの目的を一層困難にする」と指摘した。
イスラエルは北部から避難した住民の安全な帰還を実現するためとして、北部に接するレバノンへの地上侵攻も辞さない構え。26日には地上戦を想定した演習を完了させ、イスラエル空軍幹部は「地上作戦の可能性に備え、北部の部隊と連携して準備を進めている」と述べた。
[時事通信社]
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