メキシコと「歴史認識」で対立=スペイン、就任式ボイコットへ
【サンパウロ時事】スペインがメキシコを征服して植民地にした過去の歴史認識を巡り、両国が対立している。この余波で、メキシコが10月1日の新大統領就任式にスペイン国王を招待しなかった。反発するスペインは式典をボイコットする構えだ。
メキシコ中央部に繁栄したアステカ帝国は、探検家コルテス率いるスペイン勢によって1521年に滅ぼされた。先住民は金銀財宝を奪われた上、スペイン人が持ち込んだ疫病で人口も激減。スペインは約300年にわたりメキシコを植民地として支配した。
メキシコ側によると、ロペスオブラドール大統領は2019年、スペインのフェリペ国王に書簡を送付。その中で、2国間関係の新たな時代を迎えるため、「(先住民に)苦しみを与えたという認識を公式に表明する」ことや「共通の歴史を共有するための文章を作成する」ことを要求した。
しかし、スペインが要求に応じなかったため、今年7月にサンチェス首相だけを就任式に招待した。これに対し、スペイン外務省は今月24日の声明で、国家元首の国王が式典から排除されたことを「受け入れられない」と指摘。「政府としていかなるレベルも式典には参加しない」とクギを刺した。
シェインバウム次期大統領は25日、これまでの経緯を説明。「先住民に関する認識は、国の変革を引き続き前進させる上で重要だ」と、一歩も引かない姿勢を示した。
[時事通信社]
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