事務総長「レバノンが地獄に」=即時停戦要求相次ぐ―国連安保理
【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は25日、イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの衝突激化を受け、緊急会合を開いた。グテレス事務総長は「レバノンで地獄が解き放たれようとしている」と危機感を表明。双方に即時停戦を要求し、各理事国からも緊張緩和を訴える声が相次いだ。
グテレス氏はイスラエル軍による空爆で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の職員2人も死亡したと明らかにした上で「多くの命が失われた。殺りくと破壊をやめよ」と強調した。スロベニアのファヨン副首相は、「イスラエルは空爆をやめ、地上侵攻計画を放棄しなくてはならない」と述べ、ヒズボラにも攻撃停止を求めた。
会合にはレバノンのミカティ首相も出席。イスラエルが子供や女性を含む民間人を殺害し「病院は負傷者であふれている」と惨状を説明し「安保理の圧力でイスラエルに即時停戦をさせてほしい」と語った。
これに対し、イスラエルのダノン国連大使はヒズボラが民間人の家をミサイルの保管や発射場所として利用していると批判。「全面戦争は望んでいないが、(ヒズボラから)攻撃を受け続けている」として、戦闘継続の構えを崩さなかった。
日本は、外務省の安藤俊英・中東アフリカ局長が「これ以上の惨事を目撃したい者は一人もいない」と演説。事態収束へ外交努力を惜しまないと話した。
[時事通信社]
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