英首相、労働党大会で演説=批判の中、指導力アピール
【ロンドン時事】スターマー英首相は24日、中部リバプールで開催中の与党・労働党の年次党大会で演説した。7月の総選挙で労働党を圧勝に導き、14年ぶりに政権奪還を果たしたスターマー氏は、演説で改革推進を訴え指導力を改めてアピール。しかし、補助金を巡る政府の一部政策が批判を浴び、首相周辺に浮上した金銭問題も大会に影を落としている。
スターマー氏は、保守党前政権下での混乱から脱し、政治への信頼を取り戻すとした上で、総選挙時にも訴えた「国家の再生」に力を注ぐと改めて表明。物価高などが続く中、「国民に必要とされる決断をしていくのは(与党としての)義務だ」と強調した。
政府は先に、年金生活者への冬季の暖房費補助について、財源不足を理由に大幅に削減する方針を打ち出した。これが世論の強い反発を呼び、大会では党の支持基盤である労組も削減撤回を求める動議を提出。政権発足から2カ月半で、早くも「亀裂」が表面化した。
スターマー氏ら党幹部個人にも、厳しい目が向けられている。今月半ば以降、同氏や周辺が衣類など多額の贈答品を支持者から受け取っていたことが次々と発覚。首相は大会を前に「今後、服飾費は受け取らない」と火消しを図ったものの、疑惑は深まる一方だ。首相の右腕レイナー副首相(副党首)も、献金者が所有する米ニューヨークのホテルに休暇で滞在したなどと、批判の標的となっている。
[時事通信社]
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