レバノン空爆「どこへ逃げれば」=困惑の住民、イスラエルに憤り
【エルサレム時事】「どこへ逃げればよいのか」―。イスラエル軍がレバノンへの空爆を強めた23日、攻撃を受けた地域の住民は戸惑いを隠さなかった。レバノン政府によると、数万人が避難を強いられたとみられ、イスラエルへの怒りもあふれ出た。
南部ティールで妻や子供4人と暮らすヌールさん(45)は23日、早朝から爆発の恐怖におびえた。時事通信の電話取材に「イスラエルは世界も民間人も気にしない殺人マシンだ」と憤り、山岳地帯へ逃れようか迷っていると明かした。
ティールでは学校への避難が呼び掛けられた。しかし、ヌールさんは「イスラエルは満足せずに空爆を続けるはずだ。(パレスチナ自治区)ガザでも避難場所を爆撃した。レバノンでも同じだ」と不信感をあらわにした。
イスラエル軍は23日の攻撃前、レバノンの南部や東部の住民に向けて、イスラム教シーア派組織ヒズボラがミサイルやドローンなどの兵器を隠しているとされる建物から離れるよう勧告。電話やSNSでもアラビア語でのメッセージが届けられた。ネタニヤフ首相も声明で「ヒズボラはあなたたちを人間の盾にしてきた」と訴えた。
首都ベイルートの情報省職員ムサビ・アリさんは「通知を受け取ったが、ばかげた脅しだ」と一蹴。「恐怖をあおって分断をつくり出し、レバノン国民に不和を植え付けようとしている。そんなことは許さない」と語気を強めた。
[時事通信社]
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