公明、世代交代道半ば=執行部の若返り焦点
公明党新代表に石井啓一幹事長(66)の就任が18日、決まった。山口那津男代表(72)は退任し15年ぶりの代表交代となる。同党にとって世代交代が喫緊の課題だが、石井氏は既に党の定年制に抵触している。28日の党大会に向け、党幹部への中堅の起用を通じ若返りを図れるかが焦点だ。
公明は内規で任期中に69歳または在任期間が24年を超える場合は原則公認しない「定年制」を設けている。山口氏は18日、記者団に定年制が退任を決断した「最大の理由だ」と明かした。
石井氏は次期衆院選で埼玉14区に挑戦するが、定年制の例外として公認されている。党関係者は「世代交代とはまだ言えない。これからだ」と指摘する。
現在の常任役員会の国会議員メンバー11人のうち50代は2人にとどまり、60~70代が大半を占める。党関係者はベテラン中心の布陣で安定感はあったとした上で「それがいつまでも続くわけではない。中堅を起用して幹部経験を積ませる必要がある」と強調。石井氏は記者会見で「これまで以上に中堅・若手・女性の登用を積極的に図りたい」と述べた。
公明が世代交代の必要性に迫られているのは他党の動きも背景にある。今年1月には共産党を長年率いた志位和夫氏が委員長を退任。後任に田村智子氏が就き、女性党首が誕生した。自民党総裁選では40代の候補も名乗りを上げており、公明内には「このままでは埋没する」との危機感が漂う。
自民や立憲民主党の党首選は複数の候補が論戦に臨んでいるが、公明代表選の届け出は石井氏のみ。これまでも無投票当選が続いている。ある党関係者は「今回こそ、複数候補でしっかり代表選をやるべきだったのではないか」と声を落とした。
[時事通信社]
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