2024-09-18 20:37

迷いなく、戻る相撲勘=高安、立場受け入れ―大相撲秋場所

 一方的な内容で勝ち、高安が優勝争いに踏みとどまった。もろ手から強烈な突っ張りで遠藤を攻める。「まわしを引かれたら強いから」。相撲巧者も、距離を取られてはなすすべがない。一気に土俵の外へ追いやった。
 相手の変化も頭にあったが、「自分の立ち合いをしようと思っていた」との言葉通り、迷いのない相撲。場所前はけがの影響で十分に稽古を積めず、3日目から2連敗を喫したものの、その後は7連勝。日を追うごとに相撲勘を取り戻してきた。
 東前頭15枚目まで番付を落とした今場所。新入幕の初顔や対戦経験が少ない相手との取組が増えた中、「刺激がある。幾つになっても本場所の土俵で取る相撲は面白みもあるし、やりがいもある」。34歳の元大関。プライドもあるはずだが、自身が置かれた立場を受け入れて奮闘している。
 3年前に国技館で開催された春場所。10日目を終えて後続に2差をつけて単独トップに立ちながら、逆転を許して悲願の初賜杯を逃した。追われる状況の厳しさも心得る中、今回は逆に無傷の大の里を2差で追う。「いい相撲が取れたら、それでいい」。無欲さを強調する一方で、何かを起こしそうな雰囲気も漂う。
[時事通信社]

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