日本政府、廃炉進捗説明=各国の処理水言及減る―IAEA総会
【ウィーン時事】ウィーンで開かれている国際原子力機関(IAEA)の年次総会に合わせ、日本政府は17日、東京電力福島第1原発の廃炉作業の進捗(しんちょく)状況を国際社会に説明した。総会では各国代表が一般討論演説に臨んだが、原発にたまる放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出への言及は、放出開始から日が浅かった昨年と比べ減っている。
総会会場で、日本政府は廃炉や福島の復興に関するイベントを開催。経済産業省や東電の担当者らが、溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的な取り出しが始まったことや、住民の帰還が困難な地域が残っていることなどを紹介した。処理水放出を検証するIAEAのカルーソ原子力安全局調整官も登壇し、日本側とは独立した立場を強調した上で、「放出されているのは『汚染水』ではなく、処理された水だ」と念を押した。
中国代表は16日の演説で「『汚染水』の海洋放出に強く反対する」としつつ、「汚染水」の表現は不適切だとする日本の反論には沈黙。昨年繰り広げられた日中間の激しい応酬は鳴りを潜めた。
[時事通信社]
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