高速船浸水隠しに行政処分=JR九州子会社、初の解任命令―国交省
JR九州の子会社が、浸水を隠したまま約3カ月半にわたり博多港と韓国・釜山港を結ぶ高速船「クイーンビートル」を運航していた問題で、国土交通省は17日、海上運送法に基づき、子会社に安全統括管理者と運航管理者の解任を命じる行政処分を出した。同命令が出されるのは初めて。同社にとって2度目となる安全確保命令も出した。
行政処分を受けたのは、JR九州高速船(福岡市)。JR九州は8月、経営トップの指示で船首部分への浸水を国交省に報告していなかったと発表し、田中渉社長(当時)を更迭。隠蔽(いんぺい)は同省の抜き打ち監査で発覚し、高速船は同月13日から運休していた。
国交省は昨年6月にも、船体にひびが入っていたのに必要な検査を受けずに運航を続けたとして、JR九州高速船に安全確保命令を出していた。悪質な違反が繰り返されたとして、今回の行政処分では今年10月末までに安全統括管理者らを解任した上で、再発防止策を取るよう求めた。
17日午後、国交省で命令書を受け取った後、取材に応じたJR九州高速船の大羽健司社長は「安全管理体制をしっかりと再構築することに取り組みたい」と語った。
[時事通信社]
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