入山規制に「大きな成果」=弾丸登山激減、残る課題―来夏は静岡でも・富士山
富士山で初めて入山規制や通行料が導入された夏山シーズンが終了した。登山者数(速報値)は昨年より1割減の20万人弱で、夜間に登山道を閉鎖した山梨県側では、夜通しで山頂を目指す「弾丸登山」が9割減少。こうした成果を受け、来夏は静岡県も同様の規制導入に向けた検討を進めるほか、山梨県は1日当たりの上限人数など、規制強化の方向で見直す方針だ。
山梨県は登山者の約6割が利用する吉田口5合目に仮設ゲートを設置し、午後4時~翌日午前3時は閉鎖して弾丸登山を防止。1日の入山者(山小屋利用者を除く)を4000人までとした。
県によると、今シーズンのゲート通過者(暫定値)は約14万1700人。9月7日の約3400人が最も多く、上限に達した日はなかった。また、富士吉田市によると、弾丸登山が疑われる午後9時~午前0時の登山者数(6合目安全指導センター前)は計317人で、昨年の1割にとどまった。
このほか、救護相談や救急搬送者も大きく減少しており、長崎幸太郎知事は「大変大きな成果を挙げることができた」と評価。来シーズンに向け、常設ゲートへの建て替えが決まっている。
山小屋関係者からは規制を評価する声が聞こえる一方、「十分とは言えない」との指摘も上がる。吉田ルートにある山小屋などでつくる「富士山吉田口旅館組合」の井上義景事務局長(44)は「明るいうちに小屋に着くには、(ゲート閉鎖時間が)遅過ぎるのではないか」と訴える。7合目にある「鎌岩館」の岩佐克圭代表(45)は「上限人数が適切かどうかは検討の余地がある」と話す。
長崎知事は記者会見で、来年度の入山規制について「検討する必要性を感じている」とし、閉鎖時間や上限人数を見直す可能性に言及。ただ、1人2000円の通行料は「山小屋関係者などと検討しながら、受益者負担の水準を分析していく」と述べるにとどめた。
今シーズンから任意の事前登録システムを導入した静岡県の鈴木康友知事は会見で、「全体の7割が利用するなど、一定の効果は見られた」とする一方、来シーズンから富士宮、御殿場、須走の県内3ルートでの通行料徴収と入山の規制導入に向けた検討を始めると表明。「山梨県と足並みをそろえて、危ない登山が減るように規制を行っていきたい」と述べた。
[時事通信社]
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