「活躍の場はここにある」=人材活用へダイバーシティー推進―ポーラ社長
化粧品大手ポーラ(東京)の及川美紀社長は16日までにインタビューに応じ、優秀な人材を活用するためにはダイバーシティーの推進や社員の意識改革が必要だとの認識を示した。「縁あって入社したからには長く勤めてほしい。活躍の場はここにあると言い続けたい」と訴え、男女問わず管理職に挑戦できるよう背中を押す考えだ。
ポーラは2029年までに女性管理職比率を50%に引き上げる目標を掲げる。同社は従業員比率も、新入社員の採用もほぼ男女半々であることを踏まえ、及川氏は「同じ実力の男女をどちらにも期待して育成すれば、50対50になってしかるべきだ」と話した。
出産後に復職する女性の支援については、人事部や直属の上司が面談を通じて復帰計画を作成するほか、会社側も在宅勤務しやすい環境づくりを進めている。及川氏は「男性社員には子どもが生まれても、早く帰らなくていいのかと誰も聞かない」と指摘。こうしたジェンダーバイアスをなくすため、全社員を対象にした男性育休の研修も行っている。
最近は就職先を選ぶ際に、ダイバーシティーやサステナビリティーの取り組みに注目する学生もいる。及川氏は「企業が可能性をどれだけ伸ばしてくれるかと学生から問われている」と強調した上で、「ダイバーシティーの取り組みは選ばれるための必須条件だろう」と語った。
自民党総裁選でも争点の一つとなっている選択的夫婦別姓制度に関しては、夫婦同姓を法律で義務付けている現行制度はビジネス上、多くの不都合を生じさせているという指摘がある。及川氏は「名前は(個々人の)歴史と経験を含んでいる」と述べ、本人の自由な選択が尊重されるべきだとの見方を示した。
[時事通信社]
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